→ Esperanta Paĝo
Anrur
2019年12月15日
挨拶
札幌 Satporo の真駒内 Makomanaj に住んでいる、2020年3月66才になった老人です。
谷崎潤一郎の小説に「年の頃四十ばかりの初老の男が」という文句があったと記憶しています。
「銀の滴降る降るまはりに」の少年の両親は、少年の祖父母と誤解されているようですが、そうではありません。父親は、たぶん四十そこそこの「退役狩猟民」です。
歯が一本も残っていない好色じじいフョードル・カラマゾフが庶子に殺されたのが55才でしたね。数年前まで、てっきり七十代のじじいと思っていました。
高一以来、カラマゾフ体験は8回目になります。最後が11年前の夏です。
それからは二十代のドミトリー、イワン、アリョーシャ三兄弟ではなく、クソ爺っこフョードルを我が事として考えています。
ザメンホフ先生も57でお亡くなりだ。夏目漱石は50か。
馬齢を重ねている。
1954年の3月、北一条にあった札幌市立病院で父母の喜びの中に生れました。
その秋、洞爺丸台風が北海道を襲いました。武田泰淳の「森と湖のまつり」、佐伯雪子が風森一太郎に犯された日、
同年の友柳沢学は、その海難で尊父を失いました。31で自死したマナブは今なお最も美しい青年です。
女を知らずに死んだ。
どうする当てもない日々、語らったことども、残り少なくなったとはいえ生涯忘れられまい。
なぜ数学よりも物理学を選んだかを語った友。
満1歳から10歳までオホーツクに近い遠軽 Inkar という小さな町で育ちました。19で札幌 Satporo （Sapporo じゃないよ） に舞い戻るまで、千葉にいました。
28で小樽 Otaru に住み、35ごろだったかな、鳥取に移りましたが、2年半で札幌に帰ってきました。
退職後もアイヌ語研究を続けています。
そのほかにも、いろんなディマンドに応えられると自負していたが、何もできなかった。偏頗・片輪だね。
趣味はエスペラントと山小屋ぐらし。
苦手なものは語学、それに人間に無関心で、コーパスという名の死肉をあさる、ちょっとキツイ言い方だけど、ハイエナのような言語学者。
宗旨は親鸞聖人に連なる一門の徒。いずれ往生浄土の素懐を遂げる。一期が尽きるまでしばし待ちたまえ。
好きな異性のタイプは、独特で、放恣で、情愛が深く、愛想のよさと優雅さを兼ね備えたかわいい女。
実はニーチェ尊者の好みでもある。ただニーチェは小柄な女を好む。僕は大柄、小柄、どっちでもいい。それぞれに合った愛し方を工夫する。好きな同性のタイプは、平凡そうで独特で、放恣のようで慎み深く、情にもろいが流されない、田舎ぶりの気前のよさと都会的な洗練さを兼ね備えたかわいい男。
これってボクのこと？なお、このサイトのタイトル Makomanajunkur Tokanpi（マコマナユンクル トーカンビ）は「真駒内に住んでいる人の日記」をアイヌ語に訳したものです。
サイトのアドレスに見られる anrur は、
カアル・ブッセの「山のあなたの空遠く」（上田敏訳）、ゲーテのミニヨンの歌「きみ知るや南の国 レモンの花咲き黒き木陰に」（山崎章甫訳）などに似た詩情が湧き上がる私の最も好むアイヌ語です。ただ、昔のアイヌがどのような語感を抱いていたかはよくわかりません。anrurはアンルルと読んでほしい。